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[movie] 妄想のダブルバインド - ローズ・イン・タイドランド -

060908_tidelandテリー・ギリアムの「ローズ・イン・タイドランド(TIDELAND)」@恵比寿ガーデンシネマ
これは少女ジェライザ=ローズの、シュールで悲しくもおかしい、ブラックアリス・イン・ワンダーランドなのです。。。

舞台はアンドリュー・ワイエスの絵画をイメージしたという黄金色の草原と、クセのある住人たち。フィリップ・リドリーの「柔らかい殻(The Reflecting Skin)」と奇妙に重なる世界。
純粋すぎて残酷な子供。思い出にすがる吸血女。秘密の児童性愛。父親の死。。
閉ざされた世界で、事件はおとぎ話になる。

少女の妄想で反転する世界。
美しくて醜い。優しくて残酷。目をそむけたいのに惹きつけられる。
乾いた草むらは一瞬にして深い海の底となり、腐り始めたパパの死体は美人のミス・アメリカだ。
外から見ているほうは、次々と姿を変えてみせる世界についてゆけず、めまいを起こす。
みんな狂ってる。でも、ほんとはいっしょけんめい生きてるだけ。

大人の良識にてらせば、それは不安で、吐き気を催すような光景だ。
でも、ローズはあんなに嬉しそうじゃないか?どうして?何が本当の幸せなの??
自分が確かだと思っていた世界はぐらつき、私たちもウサギの穴に落ちてゆく。

けれど、ローズが時おり見せる、全てを知っているかのような大人びた表情。
この子は、私たちがかつて少しはそうであったように、ただ過剰に夢見がちな妄想少女?
それとも、過酷な現実を生きのびるために、妄想で身を守ることを覚えた寂しい少女なのか。

すべてが善であり悪である。すべてが悪であり善でありうる。
世界を変えるには、ただちょっと視点を動かせばいい。


東京での上映は今日が最後(下高井戸シネマのみ25日まで)ですが、これから見る方にひとつご注意を。
大人の目線で見ないこと。
でも、"あの頃"の目線で見れば、そこは、ワンダーランド。

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